2010年 01月 15日
思い出の振袖
成人の日に取り上げようと思っていた私の振袖のお話。
少しばかりずれた話題になってしまったけれどお付き合いの程を・・・
最近はすっかりご無沙汰だけど、青山にあるお着物屋「ゑり華さん」とは
もう5年程のお付き合いになります。
毎月届く「ゑり華通信」に、
知的障害者の方々の為に振袖と帯をご提供願えませんか?
との記事が載っていたのは昨年秋の事。
2010年の1月に成人式を迎えられる知的障害者の方にぜひ振袖を着てもらって
記念写真を撮って貰おうというあるNPOの呼びかけにゑり華さんがご協力するというお話でした。
長時間の着付けは無理、人に体を触られるのは無理というような様々な理由から
普通の振袖や袋帯は諦めざるを得ない知的障害者の為に
(もちろん人それぞれですので着付けが大丈夫な方もいらっしゃいます)
振袖はハサミを入れて簡単に着られるように2部式に加工、帯も付け帯にして
ささっと結べるようにするので、タンスに眠っている振袖や帯があれば
ご提供頂けないかという呼び掛けでした。
上の写真はゑり華さんに「こんなのがありますけれどぉ~」とお送りした画像。
私の成人式の時の振袖と袋帯です。
そう、ですから今から32年前のもの。
成人式の時と友達の結婚披露宴の時に一度、両親の赴任先のバンクーバーで
23歳の時、天皇誕生日のパーティーで着たのが最後、
計3回しか袖を通していない振袖でした。
ずうっと桐箪笥の一番下に眠っていた振袖。
受け継いでもらう娘がいるわけでもないし、染め替えも考えましたが
金色の部分などが難しいとの事でそのままになっていました。
そんな振袖がお役に立つなんて、こんな好機はありませんよね。
ハサミが入るし寸法も変わるし、お返しもできませんがよろしいですか?
との念押しに、「構いません。 どうぞお使い下さい」とお返事した時の
すがすがしい思い、今でも心地よく蘇ります。
父に買って貰った思い出の振袖が他の方に幸せを届ける役目を果たしてくれる、
亡くなった父もきっと喜んでくれることでしょ。
成人式の時は両親は海外赴任中。
私も小さい頃からよく知っていた母の女学校時代からの親友のおば様が
うちまで来て下さって着付けをして下さり、ご主人が車で新宿のデパートの
写真館まで送って下さった事、今でもよく覚えています。
この写真、父が亡くなって色々と整理していた時に思いがけず出てきたもの。
ハタチのアタシ、恥ずかしいほど顔がパンパン!
若いってこういう事を言うのね・・・
洋服では絶対に着ない鮮やかな朱色の振袖。
後にも先にもこんな赤いものを身にまとったのはこれが最後かも。
あら、あと何年後かに還暦がやってくるんじゃない?!
赤いチャンチャンコの出番じゃないのぉ?!
なんて意地悪言うのは誰ですかぁ~~~?!
by yuzudiary
| 2010-01-15 17:43
| 着物